勃起が起こるメカニズムは血液の流れと括約筋がキーワード!

勃起が起こるメカニズムは血液の流れと括約筋がキーワード!

 勃起が起こるメカニズムは、あくまで体の機能の一つであり、神経や血管などが連動して起こるものとなっています。まずは外部から性的な刺激を受け、それが神経を伝って脳に送られ、脳から指令が出ます。これによって、陰茎の組織に血液が送られ、括約筋が緊張することで起こります。

 

 陰茎に血液が流れ込むことが、どうして勃起につながるのでしょうか。まずこれは、水風船が膨らむことをイメージすればわかりやすいでしょう。陰茎の中に液体が流れ込み、圧力がかかることで膨れ上がるのです。さらに細かいことを言えば、陰茎の中には海綿体という組織があり、そこが勃起を支えています。スポンジ状の組織であり、毛細血管が入り組んでいます。この組織は血管が多いために、数秒で陰茎が固くなるのです。また、この現象自体は、筋肉の動きは関係なく、血液の圧力のみで起こります。勃起には血液の流れが重要であることがよくわかるメカニズムです。

 

 ただ、血液の流入だけで勃起を維持する事はできません。血液は液体なので、海綿体に流れ込んでも、放っておけば流出してしまいます。そこで重要な役割を果たすのは括約筋です。これは性器の根元にあり、筋肉が緊張し、弁のように閉じることで、血液が流出するのを防いでいます。話をまとめますと、陰茎が固く大きくなるのは、刺激を受けて脳が指令を出し、血液の流れによって起こります。そして、固さを維持するためには括約筋という筋肉の働きが重要ということです。

 

勃起力を年齢別に比較

勃起力を年齢別に比較

 精神全般について言えるように、性的な意欲も一概に年齢別に分けることは難しいです。覇気のない老人のような若者もいますし、80代でも現役バリバリのエネルギッシュな高齢者がいます。ただ、一人の男性の勃起力に関して言うなら、やはり若ければ若いほどエネルギッシュと言えるでしょう。

 

 若ければ若いほどエネルギッシュと述べましたが、幼児の勃起力が最強というわけではありません。勃起には男性ホルモンの一種であるテストステロンが関係していますから、その分泌量がピークに達する10代後半が頂点と考えてよいでしょう。

 

 異性に関心を抱く前から男性のペニスは勃起します。ただ、幼いころのそれは単なる生理現象であり、必ずしも性的に興奮して勃起するわけではありません。セックスのための勃起力という意味では、テストステロンの分泌が最も盛んになる思春期と考えてよいでしょう。

 

 思春期を過ぎて以降、テストステロンの分泌量が減少に転じ、それに伴い勃起力も徐々に低下すると考えられます。目に見えてはっきり衰えるとは限りませんが、テストステロン値の減少とともに以前の勃起力を維持しにくくなるのは確かです。

 

 その後、40代に達するころにはテストステロン値がさらに減少し、保持しておきたいボーダーラインより下回る人が増えていきます。それと同時に勃起障害などに悩む割合も増えるのです。

 

個人差が大きいため、高齢でも問題なく勃起する人もいれば、若くして中折れなど勃起力の低下に悩む人もいます。ただ、全体的な傾向として、20歳過ぎて以降、勃起力は徐々に低下していき、40代以上の世代では具体的な勃起不全に悩む人の割合が高くなると考えてよいでしょう。

 

勃起が起こるサイクルとは?

勃起が起こるサイクルとは?

 精力を増進し、勃起力を高めたいなら、まずは勃起のメカニズムを知っておきましょう。

 

 ペニスには骨がありません。代わりに陰茎海綿体からできており、そこには毛細血管が無数に張り巡らされています。ふだんの通常の血流の時はスポンジのようにふにゃふにゃしていますが、性的興奮などをきっかけに血液がその海綿体中に急激に流れ込み、その作用でペニスが固く勃起するのです。

 

 性的な刺激を脳が感じると、脳は体に命令を出して、体内の一酸化窒素にある物質を生成させます。それはサイクリックGMPという物質で、これによりペニスの平滑筋という筋肉が弛緩し、内部の血管が拡張する仕組みです。そのため、性的刺激を受けるとペニスに大量の血液が流れ込み、勃起するようになっています。陰茎海綿体の周囲は膜が覆っており、勃起するとその膜が膨らんで流れ込んだ血液を保持することが可能になります。そのため、いったん勃起したらその状態を維持することも可能なのです。

 

 一般的には、視覚や聴覚など何らかの感覚的刺激を受けて勃起します。この通常の勃起のサイクルは中枢性勃起と呼ばれ、女性のエロティックな姿態を見たり、声を聞いたり、ただ想像するだけでもその刺激を受けて勃起する仕組みです。また、直接触れるなど物理的な刺激でも勃起します。

 

 以上のようなメカニズムで勃起するペニスですが、何らかの要因で刺激を受けても勃起しないのがEDです。器質的な要因で勃起しないこともあれば、精神的な要因でも勃起不全に陥ることがあるなど、人によって異なります。

 

勃起力をアップさせるには?

勃起力をアップさせるには?

 何が最も勃起力アップに効果的かというと、勃起時にペニスに流れ込む血流を多くすることです。性欲や精力などと言っても、その実体は目に見えるものではありません。しかし、こと勃起力に関しては、誰が見ても一目瞭然でしょう。女性とベッドを共にし、どんなに甘い言葉を囁いたところで、肝心のペニスが勃起していないようでは、「自分に性的魅力を感じていないんだ」と女性を落胆させてしまいます。では、どうやってペニスに流れ込む血液の量を増やしたらよいのでしょうか。

 

 ペニスに限らず、血流を良くするためのアプローチはいくつか考えられます。精力剤を思い付く人もいるでしょうが、まずは手近でできることから始めましょう。血管を不必要に収縮させず、流れるべき時にしっかり血液が流れるようにすることが大切です。そこで、まず血液をサラサラにすることから考えます。

 

 食事を始め、生活習慣の乱れている人の血液はドロドロです。そういう人は、肉食中心で野菜をあまり食べず、運動習慣もないのではないでしょうか。血液をサラサラにするには、その逆のことを始めればよいのです。すなわち、肉よりも野菜中心の食生活に改め、運動を習慣に取り入れ生活全体を見直すとよいでしょう。

 

 野菜が大切なのと同時に、糖分の摂り過ぎにも注意してください。糖分の摂り過ぎは血糖値を上げ、そのために血液がドロドロになり血管にもダメージを与えてしまいます。また、喫煙者は禁煙も始めましょう。血管を収縮させるタバコには他の面を考えても百害あって一利なしです。勃起力アップどころか、満足に勃起すらできなくなる恐れもあります。